店舗から退去したい事業者と新たに出店したい事業者をつなぐプラットフォームサービス「退去NAVI」は2020年3月13日の一般公開後、2週間で100件を超える新規会員登録がありました。一方で、新型コロナウイルスの感染は拡大を続け、経済への打撃も甚大なものとなっています。収束の見通しが立たない中、今後さらなる苦境に立たされる店舗は増加していくとみられ、退去NAVI運営事務局では少しでも多くの方々の役に立てるようサポート体制の充実化を進めています。
「窮地の店舗に活路を」退去NAVIリリースで反響大
退去NAVIは店舗からの退去希望者が登録したテナントをサイト内に掲載し、入居希望者とマッチングするサービス。店舗を退去するには多くの場合、数ヶ月前の解約通知や、店舗内の床・壁・天井・内装などを撤去し「スケルトン」状態に戻す原状回復が必要で、小規模店舗でも数百万円〜数千万円の費用がかかります。退去希望者は退去NAVIを利用することで居抜きで入りたい事業者に店舗をそのまま引き継ぐことが可能なため、退去費用を大きく抑えられます。
登録会員数は現在700社以上。月々30〜50件の新規会員登録がありましたが、新型コロナウイルスの流行をきっかけに一般公開に踏み切った3月は27日時点で新規会員登録は120件でした。
退去希望者と入居希望者は3月13日の一般公開後の2週間で約10件マッチングしています。
実際にサイト内に掲載される退去物件も、1月までは月々5件ほどでしたが2月は30件、3月は50件を超えました。3月27日時点で4月は約50件の掲載が決定しています。
増加の一途をたどる新型コロナウイルス感染
新型コロナウイルスの感染者は世界中で増加し続けています。
3月24日、2020年東京五輪・パラリンピックの21年への延期が発表されました。近代五輪124年の歴史において、延期は史上初めての事態です。
3月25日夜には東京都の小池百合子知事が緊急の記者会見を開き、感染拡大への強い危機感を表明するとともに、都民に週末の外出自粛要請を呼びかけました。
外国人観光客も減り続け、退去NAVIを運営するアクトプロが全国に設置する自動外貨両替機「SMART EXCHANGE」で両替される額も前年同期を大きく下回っています。
猛威を振るう新型コロナウイルスですが、本当に深刻な影響が出てくるのはむしろこれから先だという予測もあります。
「コロナの影響」が経済にダメージを与えるのはこれから
帝国データバンクの発表によると、3月23日時点で判明している新型コロナウイルス関連倒産は全国で12件。しかし、現時点で判明している12件すべては、もともと経営難の状態にありました。
現時点では新型コロナウイルスが直接的な要因で倒産した例は確認されていませんが、長期化に伴って業績が悪化し、倒産に至る企業が出てくる可能性は大いにあります。
実際、同社の調査では3月17日までに上場企業79社が新型コロナの影響を受けたとして業績の下方修正を発表しました。減少した売上高は計約5553億円。業種別では「製造業」(38社)、「サービス業」(12社)、「卸売業」(11社)と続いています。
新型コロナウイルスの影響が騒がれるようになったのは1月下旬。2カ月足らずの期間は多くの企業や店舗が苦しいながらも努力を重ね乗り切ってきました。しかし、新型コロナウイルスが沈静化どころかますます大きな影響を出し始める中、事業の継続を断念するケースの発生は避けられないものになっていくはずです。
また、こうした動向は、取引のある関連会社や下請け企業などに波及していくとみられ、小規模店舗などにとってはこれからますます厳しい状況が待っていると予想されます。
退去NAVI運営事務局にも「コロナで売り上げが平常時の30%に激減した」「自粛が長引くなら撤退も視野に入れたい」などといった相談が数多く寄せられております。
より充実した体制で退去NAVIを
今後、さらに登録・相談が増えていくことを見越して退去NAVI運営事務局では万全の体制で臨みたいと考えております。
また、「退去NAVIチャンネル」内に会員登録や利用方法をサポートする特設ページを設置しました。新規会員登録から退去物件掲載や入居希望条件の登録方法について、図解を交えてわかりやすく明記しました。
収束の見えない新型コロナウイルスの感染拡大ですが、サービスを必要としてくれる方々のために、事務局、そしてアクトプロ一丸となって邁進して参ります。