「コロナ禍に飲食店を開業したい」
「厳しい状況の飲食店が多いと聞くけれど、今、開業して大丈夫?」

と思うことはありませんか?

長引くコロナ禍で厳しい状況に立たされている飲食店ですが、今だからこそ開業を検討するチャンスかもしれません。

そこで当記事では、コロナ禍に飲食店を開業させるメリットや重視しておきたいポイントを解説します。店舗作りに重要となる初期費用を抑えるヒントもお伝えするので、飲食店開業を検討している方は、ご一読ください。

コロナ禍における飲食店の現状

まず、コロナ禍で「飲食店が厳しい」と言われている理由を見てみましょう。

日本フードサービス協会による『2020年外食産業市場動向調査』によると、飲食業界全体における2020年の売上高は前年比で84.9%でした。業態別の売上高は以下の表をご覧ください。

業態前年比売上高
ファーストフード96.3%
ファミリーレストラン77.6%
パブ/居酒屋50.5%
ディナーレストラン64.3%
喫茶69.0%
その他78.9%

参考:http://www.jfnet.or.jp/files/nenkandata-2020.pdf

テイクアウトやデリバリー需要に対応できた、ファーストフード以外は厳しい状況です。特に店内飲食を中心とするパブ/居酒屋、ディナーレストラン、喫茶のダメージが大きくなっていることがわかります。

やはり時短営業や休業要請、3密を避けるための宴会自粛などが、大きく影響していると言っても過言ではありません。コロナ収束の見通しが立たず、経営の見直しを迫られている店舗もあるでしょう。

とは言うものの、コロナ禍が終わることを見越しての開業や、環境に合わせて新たな業態で出店に踏み切る飲食店も。続いて、コロナ禍で飲食店を開業させるメリットを見てみましょう。

【実はチャンス?!】コロナ禍に飲食店を開業させるメリット

これから飲食店を開業する際に、コロナの影響を受けることも。しかし、決して悪いことばかりではありません。

飲食店を開業するにあたり、これまで必要とされてきた費用が削減できる可能性があるからです。

ここではコロナ禍に飲食店を開業させるメリットを3つ挙げてみました。

  • 条件のいい居抜き物件で開業資金を削減できる
  • 新規出店を希望する同業者が少ない
  • SNSを使って集客できる
  • それぞれの詳細を見てみましょう。

    条件のいい居抜き物件で開業資金を削減できる

    飲食店を開業するには、以下の費用が必要とされています。

  • 物件取得時の敷金・礼金・保証金
  • 外装・内装工事費
  • 厨房設備の購入費
  • 不動産会社に支払う仲介手数料
  • 備品の購入 など
  • 店舗の面積によって金額は異なりますが、小規模店舗でもおよそ1,000万円程度の資金が必要です。通常、何もないスケルトン状態から店舗を設計しなくてはならず、物件取得費用だけではなく、内装や厨房設備を準備するにも大きな費用がかかります。

    このような開業資金を削減するには、居抜き物件への出店がおすすめ。なぜなら、前テナントの厨房設備や内装などをそのままの状態で引き継げるからです。

    コロナ禍の影響で、これまでだったら出てこなかったような好条件の物件に入ることも不可能ではありません。

    新たに厨房設備を購入したり工事をしたりする場合と比較して、かかる費用が半分以下になることも。

    しかし「どうやって居抜き物件を探したら良いかわからない」といった悩みを持つ方もいるでしょう。そのようなときは、退去したい事業者と入居したい事業者をマッチングする『退去ナビ』がおすすめです。

    希望条件に合った居抜き物件が見つかる可能性がありますので、内装工事費や厨房設備を準備するコストを抑えたい方は以下からご相談ください。

    退去ナビ 公式サイト

    新規出店を希望する同業者が少ない

    コロナ禍の飲食店開業にリスクを感じる人もいるため、新規出店するライバル店は少ない傾向にあります。

    ザイマックス総研による『コロナ禍における店舗戦略に関する実態調査 2020』によると、beforeコロナとwith/afterコロナで比較したとき、積極的に飲食店を出店したい意向が半減する結果になっています。

    ザイマックス総研|コロナ禍における店舗戦略に関する実態調査 2020
    出典:https://soken.xymax.co.jp/2020/12/18/2012-survey_on_strategy_of_commercial_store/

    コロナの影響を受けて、やむなく廃業する飲食店もある中で、出店したい飲食店が少なければ空き物件も増えてくるわけです。不動産業者もテナントを探している状況になっているため、これから新たに飲食店を出店する際の家賃交渉もしやすくなる可能性があります。

    今のうちに家賃交渉して物件を安く借りられると、コロナ収束後も同じ金額のまま継続できることも。長い目で見れば、多くの物件が空いているときがチャンスかもしれません。

    SNSを使って集客できる

    飲食店を開業するにあたり、集客も重要なポイントです。しかし、チラシなどを作成して近隣に配布するにはコストがかかります。

    そこで活用できるのがSNSです。TwitterやInstagramなどを活用して発信すると、多くの人の目に止まり、広告宣伝費を最低限にして集客が可能となります。

    来店したくなるようなメニューや仕組みを作り、SNSで積極的に発信してみてください。

    コロナ後を見据えて地道に発信を続けることで「飲食店を応援したい」という人たちが来店してくれる可能性もあります。

    ここまでコロナ禍に飲食店を開業するメリットをお伝えしました。しかし、これまでの飲食店開業の常識が変わりつつあるため、やみくもに計画を立てるわけにもいきません。

    続いて、コロナ禍に飲食店を開業するにあたり、意識しておきたいポイントを解説します。

    コロナ禍に飲食店を開業するなら重視したい4つのポイント

    コロナ禍に飲食店を開業する際に、重視するポイントとして以下の5つを挙げてみました。

  • 物件の立地に需要があるか
  • コロナ対策がしっかりできる店舗にできるか
  • 協力金や補助金の対象になるか
  • ランニングコストはどれくらいになるか
  • それぞれの詳細を見てみましょう。

    物件の立地に需要があるか

    コロナ禍以前は飲食店を出店する立地として、

  • 駅に近い
  • オフィス街
  • 地下にある小さな物件
  • が人気でした。しかし、コロナ禍における飲食店の出店は、上記の物件は避けられる傾向に。

    なぜなら、テレワークを導入する企業が増えたことで、駅に近いオフィス街の人通りが少なくなりつつあるからです。ビジネスマンやOLがオフィスに出社しないことで「昼時のランチ」や「帰り際にお酒を飲んで帰る」といったことができなくなりました。

    コロナ禍が落ち着いてもテレワークを続けられる体制を整えている企業もあります。そのため、以前のような客足には戻らないかもしれません。

    また、地下にある隠れ家的な小さな物件も避けられる傾向にあります。

  • 窓がなく、十分な換気ができない
  • 面積が狭く、密になりやすい
  • といった理由で「感染リスクが高い」と感じる人が多いようです。換気システムや機材を導入する方法もありますが、コストのほうが高くかかってしまうでしょう。

    一方で、コロナ禍で人気を集めているのが「郊外のベッドタウン」や「道路沿いにある1階」の物件です。自宅にいる時間が増えたことやUber EATSを始めとする宅配が人気になっていることも後押ししています。

    こういった人の流れや需要の変化にも対応できる物件を選ぶことが重要です。

    コロナ対策がしっかりできる店舗か

    顧客が来店するにあたり、感染防止対策がしっかりできていることが前提です。密になるような店舗だと、顧客もリスクを感じて避けてしまうかもしれません。

    飲食店が実施すべきコロナ対策の一例は以下のとおりです。

  • 非接触型検温器やアルコール消毒の設置
  • ソーシャルディスタンスが確保できる席数
  • フェイスシールドやマスク着用の周知・徹底
  • アクリル板の設置
  • 顧客が触れるドアやメニュー表などの消毒
  • 定期的な換気
  • 発熱者やマスクを着用しない人の入店禁止
  • 感染防止対策を徹底し、安心して来店してもらえる店舗作りが求められます。

    協力金や補助金の対象になるか

    「自店舗が休業や時短要請に応じたとき、協力金の対象になるの?」と気になっている人もいるでしょう。しかし、すべての飲食店が協力金の対象になるわけではありません。

    対象になって、金額をいくら受け取れるかは、

  • 店舗の規模
  • 営業時間
  • 酒類の提供有無
  • 売上高など
  • の条件によって異なります。自治体によってルールが違うことがありますので、協力金の対象になるかどうかは各自治体の窓口へ確認するのが確実です。

    また、開業時に利用できる補助金を活用すると資金面のサポートに。一例として「創業補助金」が挙げられます。その名のとおり、創業時の補助金ですので活用しない手はありません。

    補助金は融資ではないため、返済は不要です。国や自治体で実施しており、さまざまな種類があります。活用できるものがないか確認してみてください。

    ランニングコストはどれくらいになるか

    飲食店は開業してからがスタートです。営業を始めてから、コストがいくら発生する見込みなのか確認しておきましょう。

    たとえば、営業開始後にかかる費用として以下のものが挙げられます。

  • 原材料費
  • 家賃
  • 水道光熱費
  • 人件費
  • おしぼりや割り箸などの消耗品 など
  • 仮に開業に関わる初期費用を抑えられたとしても、営業が始まってからのコストがかかってしまえば赤字になるかもしれません。コロナの収束までにまだ時間がかかる可能性を考えて、できるだけコストを抑えられるように計画しておきましょう。

    コロナ禍を境に、飲食店をとりまく環境も変わってきています。感染防止対策を実施しつつ、環境に合わせた店作りが重要です。

    ここまで読んで「コロナ禍でも対応できる飲食店は、どのような店なの?」と思う方もいるのではないでしょうか。続いて、コロナ禍で人気になっている飲食店の業態を見てみましょう。

    コロナ禍で飲食店開業するときの業態例

    コロナ禍で人気になっている、飲食店の業態の例を4つ挙げてみました。

  • ゴーストレストラン(デリバリー専門)
  • テイクアウト併設
  • キッチンカー
  • ECサイト(インターネット通販)で販売
  • 店作りをするにあたって、密にならない客席の確保が課題に。さらに、感染防止対策を万全にするための稼働やコストがかかります。

    そこで、特に注目されているのが、デリバリーを専門とした「ゴーストレストラン」です。あえて客席は設けず、接客もしません。注文された料理は、Uber EATSなどの宅配業者を通して、顧客の元へ運ばれます。

    ゴーストレストランにすることで、店舗を構えるときに発生する物件取得費用が最低限で済み、水道光熱費や人件費などのコストも抑えやすいのが特徴です。

    ゴーストレストランを開業する流れについては以下にまとめています。デリバリー専門で飲食店を開業させたい方は、ご一読ください。

    コロナで需要急増!デリバリーレストラン(ゴーストレストラン)開業の方法

    また、まったく店舗を持たないキッチンカーという選択肢も。自分で人の集まりそうな場所を選んで集客ができる一方、立地の良い場所には既にライバル店がいることもあります。

    どれを見ても比較的新しい業態です。どの方法を選択するにせよ、顧客に認知してもらうための工夫は必須になるでしょう。

    まとめ:コロナ禍でも飲食店開業は可能!いかに低コストで実現できるかが鍵

    コロナ禍に飲食店を開業するメリットや重視しておきたいポイントを解説しました。ここで全体のおさらいをしておきましょう。

  • コロナ禍では、飲食店にとって厳しい状況が続いている
  • 居抜き物件を探すとコストを抑えて開業が可能
  • 同業者の出店が少ないため、家賃の条件交渉などがしやすい
  • 需要のある場所の物件を選ぶ
  • コロナ禍の環境にも対応できる店舗にする
  • 長引くコロナ禍が、いつ収束するかはわかりません。そのため、これから飲食店を開業するなら、いかに低コストで実現できるかが重要です。

    そこで、大きく開業資金を削減するなら居抜き物件がおすすめ。前テナントの厨房設備や内装がそのままになっているため、新たに費用をかけて準備せずに済みます。短い期間で開業できるところもポイントです。

    自社の条件に合う居抜き物件を見つけるなら『退去ナビ』にお任せください。10坪から大規模まで、希望する条件にマッチングする物件をご案内します。

    居抜き物件仲介のプロが、内見や条件交渉などもサポート可能。「コストを抑えて飲食店を開業したい」「希望条件に合う居抜き物件を探したい」といった方は、以下からご相談ください。

    退去ナビ 公式サイト

    この記事を書いた人

    船本ちとせ
    フリーライター。BtoBオウンドメディアでの執筆を中心に、取材にも取り組む。わかりやすく、良質なコンテンツ作成を目指して日々奮闘中!
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