「居抜き」という言葉は、実は不動産の専門用語ではないってご存じでしたか?
不動産ではお馴染みの言葉ですが、実は元々べつの意味だったんです。
そこでこの記事では、居抜きの意味とその語源について解説します。
あまり知られていない情報なので、どうぞご一読ください。
よく知られている居抜きの意味
居抜きとは、旧借主が使用していた設備・家具・調度などを残したままで、売り渡したり貸したりすることです。
物件から退去するとき、工事をして入居時の状態に戻すのが一般的。
ですが、居抜きではその工事をせず、そのままの状態で次の借主に明け渡します。
これは大家・旧借主・新借主の3者にメリットがあります。
一方、居抜きは必ずしもすぐに営業できる状態とは限りません。
中には「床・壁・天井だけ」・「厨房設備のみ」など、内装の一部だけが残っている場合でも「居抜き」と呼ばれることがあります。
その場合は 「一部居抜き」 と表示されます。
居抜きの語源は2説が有名
居抜きの語源は、以下の2説が有名です。
・居を抜く
・ゆで卵
ひとつずつ説明していきます。
居抜きの語源は居を抜く
居抜きとは、どういった由来の言葉かご存じですか?
様々な説がありますが、ここでは有名な一説を紹介します。
居抜きの「居」は、その場所に「人が存在する」ことを意味します。
賃貸物件の場合は、使用していた設備等はそのままで、人だけがいなくなった家。
これを「居」を抜く。つまり「居抜く」と表現したのが語源とされています。
居抜きの語源はゆで卵
居抜きの語源には、以下のような説もあります。
一般的に賃貸物件は、契約終了時には空っぽの状態に戻します。
この「空っぽ」を卵の殻に例えたのが、はじまりです。
「空っぽ」が卵の殻なら、中身が残っている状態はゆで卵。
この比喩を関西弁で「煮抜き( 固ゆでのゆで卵)」と表現していました。
沸騰したお湯で、卵をしっかり「煮抜く」という意味です。
しかし「煮抜き」は関西の言葉。関西以外に住んでいる人には聞き慣れない言葉です。
「煮抜き」が人づてで広まっていくうちに、聞き間違えが起こります。
そして「煮抜き」は、いつしか「居抜き」と呼ばれるようになりました。
これが「居抜き」の語源だと言われています。
まとめ
居抜きの語源をまとめると、以下のようになります。
・「居」を抜く
・物件の受け渡しをゆで卵にたとえた「煮抜き」が転じたもの
物件の中身を残したまま次の借主に明け渡す。
という意味で使われている居抜きですが、そこには様々な由来がありました。
また、居抜き物件の探し方については、以下の記事で紹介しています。
店舗の開業時にもお得なことが多い居抜き物件。開業を検討中の方はぜひ選択肢に加えてみてください。