「夢だった小さなカフェの開業に向けて準備を始めたい。でも、できるだけ開業資金は抑えたい」

と思っていませんか?

飲食店の中でも、カフェは比較的参入しやすい業態です。しかし、無計画に開業準備を始めると、結果的にコストがかかりすぎて経営が大変になるケースも。

そこで今回は、小さなカフェ開業のメリットや、必要な資金を低コストで抑えるコツを解説します。開業資金を抑えた小さなカフェをオープンさせたい方は、ご一読ください。

小さな面積でカフェを開業するメリット

狭い店舗面積で開業できるからこそ、得られるメリットがあります。ここでは、3つのメリットを挙げてみました。

  • 家賃を抑えられる
  • 顧客とコミュニケーションが取りやすい
  • 少人数で経営できる
  • それぞれの内容を見てみましょう。

    家賃を抑えられる

    広い面積の店舗と比較して、家賃を抑えられるところがメリットです。同じ坪単価で面積の違う2つのテナントがあったとしたら、狭いほうが家賃は安くなります。

  • 坪単価2万円で10坪のテナントは、家賃20万円
  • 坪単価2万円で20坪のテナントだと、家賃40万円
  • このように、店舗面積が2倍広くなれば、毎月の家賃も2倍かかることに。テナントの家賃は開業後の運転資金として大きくかかる部分ですので、できるだけ店舗面積を抑えて家賃も安くするのがポイントです。

    また、テナント契約時の初期費用として、家賃を基準にして決定するものがあります。詳しくは後述しますが、初期費用を合計すると家賃の約15ヶ月分程度+αが必要になることも。

    そのため、家賃が安くなればなるほど、実際に支払う初期費用も抑えられます。初期費用や運転資金を削減するには、狭い面積のテナントを借りるほうが得策です。

    顧客とコミュニケーションが取りやすい

    小さなカフェでは顧客との距離が近く、コミュニケーションを取りやすいところもポイントです。アットホームな雰囲気にしたり、会話の中から常連客を増やしたりといったこともできます。

    小さなカフェであることを強みにして、顧客との関係を築くことが重要です。

    少人数で経営できる

    店舗が狭い分、そこまでたくさんの席数も用意できません。そのため、少ない従業員で調理や接客などのオペレーションをまわすことも可能です。

    仮に自分1人だけ、もしくは夫婦2人や仲間同士などで経営ができれば、アルバイトを雇う人件費も抑えられます。小さなカフェだからこそ、得られるメリットです。

    続いて、小さなカフェに必要な開業資金を具体的に見てみましょう。

    小さなカフェに必要な開業資金

    10坪程度の小さなカフェでも、ざっくり500万円以上は開業資金が必要と言われています。店舗が広くなれば、1,000万円くらいまで膨れ上がることも。

    開業時に必要になる資金の内訳は以下の通りです。

  • 店舗物件に必要な資金
  • 内装工事にかかる資金
  • 厨房設備の資金
  • 開業後の運転資金
  • それぞれ確認していきましょう。

    店舗物件に必要な資金

    テナントを契約する際に初期費用が発生します。家賃を基準にして計算され、まとまった資金が必要です。

  • 保証金:家賃3~10ヶ月程度
  • 礼金:家賃1~2ヶ月分
  • 前家賃:家賃1~1.5ヶ月分
  • 不動産会社への仲介手数料:家賃1ヶ月分 など
  • 仮に月々20万円のテナントで、初期費用の合計が家賃15ヶ月分必要だったとすると、300万円もかかる計算に。店舗の立地や面積、家賃などのバランスを見ながらのテナント探しが鍵となります。

    内装工事にかかる資金

    おしゃれでSNS映えを狙ったカフェにするなら、内装工事にもこだわりたいところ。内装工事にかかる費用の内訳例は次のようになります。

  • 内装設計費
  • 造作工事
  • 看板施工費
  • 電気・空調工事
  • 店舗の内装がなにもないスケルトン状態のテナントを借りる場合、天井や壁、ドアなどもゼロから工事しなくてはなりません。

    内装工事の相場は、坪単価20~40万程度と言われています。したがって、10坪の店舗なら、単純計算で最低200万円は必要に。

    こだわりたいところもあるかと思いますが、内装工事費を抑えるなら、どこかで妥協が必要になるかもしれません。

    厨房設備の資金

    料理や飲み物を提供するには、厨房設備が必要です。たとえば、必要になる設備として以下の機器を挙げてみました。

  • シンク
  • 作業台
  • ガスコンロ
  • 製氷機
  • 食器棚
  • 冷凍庫
  • 冷蔵庫
  • 食洗機
  • コーヒーマシン
  • 中でも業務用コーヒーマシンだけでも、新品で10~20万円ほどかかります。すべての設備を新品で用意しようとすると200万円程度かかるケースも。

    店舗の面積やメニュー、オペレーションのしやすさにあった機器選びが重要です。

    開業後の運転資金

    小さなカフェをオープンさせることがゴールではありません。その後もカフェの営業は続いていくため、計画的な運転資金の準備も必要です。

    開業後にかかる運転資金には、

  • 家賃
  • 人件費
  • 水道光熱費
  • 材料仕入費
  • などが必要です。

    開業後にいきなり赤字になって苦しくならないように、経営が軌道に乗るまでの必要経費を数ヶ月分ほど準備しておくと良いでしょう。

    小さなカフェの開業資金についてお伝えしました。開業には最低500万円~、場合によっては1,000万円近くの資金が必要です。

    ここまで読んで「できるだけ開業にかかる費用は抑えたい」と思っている方もいるのではないでしょうか。続いて、小さなカフェを低コストで開業するコツを解説します。

    小さなカフェを低コストで開業する5つのコツ

    小さなカフェの開業にかかる資金を削減し、低コストで抑えるコツは以下の5つです。

  • 居抜き物件を検討する
  • 自分でできることは業者に頼まない
  • 原価率の低いメニューを考える
  • 少ない人数で実現できるオペレーションにする
  • SNSの活用で広告宣伝費を抑える
  • それぞれのポイントを解説します。

    居抜き物件を検討する

    店舗の内装や厨房設備をゼロの状態から整えようとすると、数百万円もの資金が必要です。しかし、居抜き物件であれば、前テナントの内装や厨房設備をそのまま引き継げます

    そのため、希望条件に合う居抜き物件が見つかれば、新たに費用をかけて準備する必要がなくなり、開業資金を大きく削減可能です。スケルトン状態から店舗を作るときと比べて、半分程度も費用を抑えられたケースもあります。

    とは言うものの「どうやって居抜き物件を探したらいいの?」と疑問を抱く方もいるでしょう。そこで、おすすめしたいのが居抜き物件のマッチングプラットフォーム『退去ナビ』です。

    退去ナビでは、テナントの退去希望者が登録した物件の中から、入居希望条件と合うものをマッチング。どこにも出回っていない、解約通知前の物件で交渉が可能になります。

    店舗の内装工事費や厨房設備費を抑えて小さなカフェを開業したい方は、以下からお問い合わせください。

    退去ナビ 公式サイト

    自分でできることは業者に頼まない

    内装費用を抑えるために、業者に頼まず自分でDIYするのも方法の1つです。たとえば、DIYできる箇所には、

  • 壁の壁紙や塗装
  • 床のタイルやフローリング
  • 簡単な棚の取り付け
  • などがあります。業者に依頼する箇所が少なくなる分、費用の削減が可能です。

    ただし、DIYすることで業者が施工するより安全性が劣ったり、使用中に事故に繋がる危険性があったりするものも。電気・ガス・水道関係や重さのあるカウンターの設置などは、業者に頼むようにしましょう。

    原価率の低いメニューを考える

    一般的なカフェの原価率は25%前後と言われています。こだわりの詰まったメニューをたくさん提供したい気持ちもあるかと思いますが、原価率の高いメニューばかりだと利益が得られにくく、少しずつ赤字に近づいていくかもしれません。

    ほかのところでコストを削減できても、原価が大きくかかるのでは、開業前の努力が無駄になってしまう恐れもあります。原価率を意識しつつ、顧客のニーズに合うメニューの考案が重要です。

    少ない人数で実現できるオペレーションにする

    開業前から料理提供や接客の流れを、しっかり練っておきましょう。「満席時でも効率的なオペレーションができるか」がポイントです。

    混雑しているときに料理や接客の質が下がってしまえば、顧客が不満を抱く原因になります。少ない人数でも質を下げずに効率アップしていくには、

  • 効率化できる部分を洗い出して反映させる
  • 調理工程の削減や時短が可能なメニューを取り入れる
  • 無駄な動きが少ない店舗のレイアウトにする
  • などの対策が有効です。

    手がまわらなくなったときにアルバイトを増やす選択肢もありますが、安易に人件費をかけると利益は減少します。アルバイトを雇うのは、効率の良いオペレーションができるようになってから検討するのが得策です。

    SNSの活用で広告宣伝費を抑える

    カフェの店長が主体となってSNSで発信することも可能です。InstagramやTwitterなどを活用して発信を続けていくと、集客効果が高まります。

    上手にSNSを活用するコツは以下の通りです。

  • 写真+わかりやすい文章で魅力を伝える
  • 顧客が検索しそうなハッシュタグを複数付ける
  • 位置情報を追加する
  • 1投稿だけで一気に拡散されることは稀ですので、継続して投稿するようにしましょう。

    また、また、チラシで集客する方法もありますが、自分で広範囲に大量に配布するのは現実的ではありません。しかし、業者に依頼するとコストが膨らみます。できるだけ広告宣伝費を抑えるには、店舗の近くだけ自分でチラシを配布し、あとはSNSと掛け合わせながら実施していくと良いでしょう。

    ここまで、小さなカフェを低コストで開業するコツをお伝えしました。解説したポイントを実行できたら、コストを抑えた小さなカフェの開業は十分可能です。

    続いて、小さなカフェを開業するときのよくある質問を解説します。「小さなカフェの開業に資格は必要?」「田舎でもカフェはできるの?」といったことに疑問を感じている方は読み進めてみてください。

    小さなカフェを開業するときのよくある質問3つ

    今回は、よくある質問として以下の3つを挙げました。

  • 小さなカフェの開業に資格は必須?
  • 小さなカフェは田舎でもできる?
  • コロナ禍でカフェを開業しても大丈夫?
  • それぞれの回答を見てみましょう。

    小さなカフェの開業に資格は必須?

    小さなカフェの開業には、以下の資格が必要です。

  • 食品衛生責任者
  •  ⇒飲食店を開業する際に必須

  • 防火管理者
  •  ⇒店舗の収容人数が30人以上になる場合に必要

    どちらの資格も講習を受けることで取得可能です。

    「カフェは飲食店だから、調理師免許がいるのでは?」と思っている方もいるでしょう。しかし、開業のために調理師免許は必須ではなく、無理に目指さなくても問題ありません。

    また、店舗の信頼性を高めるために、コーヒーに関する民間資格を取得するのもおすすめ。

  • コーヒーマイスター
  • コーヒーインストラクター検定 など
  • 提供したい商品に合わせて、検討してみてください。

    小さなカフェは田舎でもできる?

    小さなカフェを田舎で開業させることも可能です。しかし、田舎には良いところがある一方で、都会と同じにはいかない点は留意しなくてはなりません。

     メリットデメリット
    都心集客しやすい家賃相場が高い
    競合店が多い
    郊外家賃が安い
    競合店が少ない
    ターゲットを広くできる
    都心より集客しにくい
    田舎郊外よりも家賃が安い
    競合店が少ない
    顧客との距離が近い
    郊外よりも集客の工夫が必要

    このように家賃が安く済みますが、田舎になればなるほど人口が少なくなるため、集客に苦労する場合があります。田舎でのカフェ開業を失敗に終わらせないために、以下のポイントはチェックしておきましょう。

  • ターゲットは誰なのか(地元の人 or 観光客)
  • 夜の時間帯に来客が見込めるか
  • このカフェにしかないメニューや空間があるか
  • 近所に競合する店舗はないか(トラブルを避ける目的)
  • 開業するカフェのスタイルが場所とマッチするか
  • そもそも田舎での生活が自分と合うか
  • 小さなカフェを田舎で開業させたい場合は、地域の下調べを入念に行い、その土地に合ったメニューや雰囲気を提供することが求められます。

    コロナ禍でカフェを開業しても大丈夫?

    コロナ禍で多くの飲食店が苦境に立たされています。そのため、いくら面積が小さいカフェでも、開業を見送ろうと考えている方もいるのではないでしょうか。

    しかし、コロナ禍での開業がチャンスになることもあります。

  • 好立地の物件が多数出ている
  • 競合店舗も新規出店を控えていてライバルが少ない
  • といった理由から、家賃交渉もしやすいタイミングです。好立地の物件を安い家賃で借りたい場合は、アフターコロナの時期を待つ前に動いたほうが、多数のメリットを受け取れるでしょう。

    コロナ禍での飲食店を開業するメリットは、以下の記事にまとめています。出店するときに重要となるポイントも解説しているので、併せてご一読ください。

    コロナ禍で飲食店開業はハイリスク?メリットと出店時のポイントとは

    まとめ:コストを抑えて小さなカフェを開業させよう

    小さなカフェを開業するメリットや必要になる資金、コストを抑えるコツを解説しました。ここで全体のおさらいをしておきましょう。

  • 小さなカフェだからこそ得られるメリットがある
  • 面積が狭くても、おおよそ500万円以上は開業資金が必要
  • 居抜き物件にすると、内装工事費や厨房の設備費を抑えられる
  • 開業前から原価率を意識したメニューの考案や、効率的なオペレーションを考えることも重要
  • 小さなカフェだったとしても、内装工事費や厨房設備の導入に多額の資金が必要。このコストを抑えていくには、居抜き物件の活用が有効です。

    居抜き物件なら前テナントの内装や設備を引き継ぐため、本来ならかかる費用を削減できます。さらに、工事する箇所も最低限になり、契約後のスピード出店も可能です。

    とは言え、居抜き物件を自力で探していくのは骨が折れるもの。効率良く居抜き物件を探すには『退去ナビ』が最適です。

    退去ナビでは、事前に退去登録された居抜き物件の中から、入居の希望条件と合うところをマッチングします。紹介するのは、まだ他では出回っていない解約通知前の物件です。初めての居抜き物件探しでも、内見やオーナーとの交渉などもサポートします。

    居抜き物件を活用し、できるだけ低コストで小さなカフェを開業したい方は、以下からお問い合わせください。

    退去ナビ 公式サイト

    この記事を書いた人

    船本ちとせ
    フリーライター。BtoBオウンドメディアでの執筆を中心に、取材にも取り組む。わかりやすく、良質なコンテンツ作成を目指して日々奮闘中!
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