居抜き物件取引サービス「退去NAVI」を運営する株式会社アクトプロでは、自動外貨両替機「SMART EXCHANGE」事業も展開しています。国内の外貨両替機は新型コロナウイルスの影響を受けて開国人観光客が激減したことから利用額が大幅減少しましたが、意外にも日本人の利用が増加していることが分かりました。

背景には、日本人も海外旅行に行けなくなったことで、「次の海外旅行で使おう」と自宅で温存されていた外国のお金(通称「タンス通貨」)を日本円に戻す動きが活発化したからだとみられます。

海外旅行で余った外国のお金は自動外貨両替機で手軽に日本円に 海外渡航の減少受け「タンス通貨」の両替が増加中

外国人旅行者激減、その一方で

日本政府観光局(JNTO)の発表では5月の外国人観光客数は前年の277万人と比べて99.9%減の1700人で、統計を取り始めた1964年以降で最少でした。

1700人には留学生らも含まれており、日本で暮らしている外国人の再入国を除くとさらに大幅に減るとみられています。

一方、SMART EXCHANGEの5月の利用額の合計は昨年5月と比べて88.5%減でした。外国人の入国がほとんどないにも関わらず、前年同期比10%ほどの外貨が両替されていました。

海外旅行中止でタンス通貨の両替増加

アクトプロが調査をしたところ、5月のSMART EXCHANGEでの両替回数は全国合計で4500回。そのうち約8〜9割が日本人による両替だったことが判明しました。

海外旅行などで外国の通貨を使い切れずに帰国して次の海外渡航に備えて「タンス通貨」として自宅で保管していた人が、新型コロナウイルスの影響で海外に行く機会を失ったため外貨を日本円に戻しているものとみられます。

実際にSMART EXCHANGEで外貨両替した会社経営の男性は5月に台湾に旅行に行く予定だったといいます。男性は「楽しみにしていたけど、旅行は中止になりました。すでに両替もしていたけど次いつ行けるかわからないので再度両替して日本円に戻しました」と話しました。

設置台数全国最多の外貨両替機

SMAER EXCHANGEは設置台数が国内最多の自動外貨両替機で、12通貨に対応しています。

(対応通貨)
USドル、ユーロ、イギリスポンド、タイバーツ、
台湾ドル、マレーシアリンギッド、香港ドル、
中国人民元、シンガポールドル、韓国ウォン、
オーストラリアドル、インドネシアルピア

両替所に足を運ばずに両替できる手軽さや、感染リスクが高まる人が密集した場所に行かなくても両替できることが魅力となりこれまでより多くの日本人に使われているようです。

設置場所や使い方は、以下のSMAER EXCHANGE公式サイトから確認できます。

海外旅行で余った外国のお金は自動外貨両替機で手軽に日本円に 海外渡航の減少受け「タンス通貨」の両替が増加中

海外にも進出中で、昨年秋にはタイ(バンコク)の国際空港に設置されました。

1台あたりの年間利用額は2019年は2018年に比べて17.18%増、2017年に比べて10.68%増とインバウンド需要の高まりを受けて年々増加していましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、4月以降は一部の両替機で運用を停止しています。

外貨両替とインバウンド市場

外貨両替は外国人観光客の動向を示す大きな指標となります。海外と行き来する多くの航空機が運休し、2020年東京五輪・パラリンピックも延期された現在、国内のインバウンド指標は未曾有の危機を迎えています。

アクトプロでは引き続き、設置されたSMAER EXCHANGEのデータを集計・調査・分析していきます。