「コロナの影響で店舗退去を考えている」
「退去までの流れが知りたい」
こんな疑問にお答えします。
この記事では、一見複雑な店舗退去の手順をわかりやすく解説します。
また、トラブルを避けるためのポイントも併せて紹介しますので、どうぞご一読ください。
店舗退去の手順は、大きくわけて3つです。
1.貸主(不動産会社)への店舗退去の連絡は、3~6ヶ月前
2.店舗退去には、原状回復して入居前の状態に戻す必要がある
3.敷金の返却を受けて、店舗退去完了
順番に説明していきます
貸主(不動産会社)への店舗退去の連絡は、3~6ヶ月前
まず、解約通知書という書面を貸主(又は不動産会社担当者)に提出します。
退去日希望日(明渡し予定日)を貸主に記載してもらい、送り返してもらいます。
ポイントは、賃貸借契約書に記載されている退去(解約)予告期間を確認すること。
一般的には3~6ヶ月前に退去(解約)の旨を伝える必要があるので、注意してください。
ここで要注意なのは、貸主側もすぐ次の利用者を探す場合があることです。
退去日が正しく伝わってないと、次の利用者とダブルブッキングしてしまいます。
言った言わないでトラブルになるのは避けたいところ。
スムーズに退去するためにも、退去日の認識にズレがないようにしておきましょう。
解約通知書の書式については、以下の記事で詳しく解説しています。
テナント退去時には、原状回復という工事が必要です。
これは店舗をなにも内装がない状態にし、借りる前と同じ状態に戻すこと。
原状回復は以下の2種類があります。
・スケルトン
建物の内装を全て解体し、コンクリート打ちっ放しの状態にすること。
・原状回復
「借りたときの状態」に戻すこと。
上記どちらに該当するかは、借りたときどんな状態だったかで決まります。
借りたときの状態がスケルトンであれば、原状回復はスケルトンへ戻すことになります。
スケルトンではなかった場合、必ずしもスケルトンまで戻す必要はない、ということになります。
工事の際は、大抵は指定の業者に工事を依頼します。
工事の内容次第では、費用が予想以上の高額になるケースもあるので要注意。
スケルトン戻しの工事費の相場は、坪8~10万円ほど。
とはいえ、実際の原状回復にはスケルトンではない要素も含まれることが多いため、それによって金額は上下します。
どの状態まで戻すのか、貸主としっかり話し合うことが、トラブル防止につながります。
原状回復工事を行って、正式退去をするまでにかかる時間は、一般的に1週~2週間ほど。
原状回復工が終わった段階で、貸主と借主が現場で立会い確認を行います。
敷金の返却を受けて、店舗退去完了
退去手続きの最後は、敷金の精算業務。
テナント物件では、保証金という名前を使っていることもあります。
退去時の敷金(保証金)は、未払い賃料や原状回復の工事費を差し引いた金額が戻ってきます。
注意してほしいのは、契約期間に応じた「償却分」が引かれるケース。
その場合、契約内容によっては下記のようなことが予想されます。
・敷金が全額戻ってこない
・原状回復工事費用と合わせて精算され、敷金がほとんど戻ってこない
退去予告期間前に閉店した場合、その間の賃料は払わなければなりません。
次のテナントを借りる資金に当てるため、戻ってきた敷金に期待しているときは、要注意です。
まとめ
記事の内容をまとめると、以下のようになります。
・貸主(不動産会社)への店舗退去の連絡は、3~6ヶ月前
・店舗退去には、入居前の状態に戻す必要がある
・敷金の返却を受けて、店舗退去完了
また、店舗退去時に起こりがちなトラブルについては、こちらで紹介しています。
上記をしっかり理解して、トラブルなくスムーズに退去作業を終わらせましょう。