こんにちは、今回は経営している店舗から退去する際に検討したい「後継テナント誘致」の方法について紹介します。
「後継テナント」とは、現在入居している店舗から退去する際、同じ契約条件で自身の直後から入居してくれるテナント(借主)のことです。
賃貸住宅と違い、店舗賃貸契約では多くの場合、解約時の様々なペナルティが設定されています。これは「解約しにくい状態を作ることでテナントが途切れる事を防ぎたい」という理由で設定されているので、自身の直後から入居できる後継テナントを見つける事ができれば多くの場合、違約金などのペナルティを回避できます。
成功すれば原状回復工事の回避や違約金・解約通知後賃料などの支払いを回避できる後継テナントの誘致ですが、それにはいろいろな方法が存在します。
それぞれの方法をしっかり理解して、現在の状況に合わせた方法で誘致を行いましょう。
目次
同業他社や知り合いなどを後継テナントとして誘致する
後継テナントの誘致を考える時、まず初めに検討するのが仲の良い店舗経営者に後継テナントとして入居してもらう事ではないでしょうか。
特に中小規模の店舗経営者であれば、同業他社や他業種での経営者仲間は、いざという時にお互い助け合える貴重な相手です。
しかし、後継テナントとして入居してもらう場合、現在の店舗と同じ業種では経営が厳しくなる可能性が高いため、同業者には敬遠されてしまう傾向があります。
また、考え方によっては競合相手に店舗の撤退情報が渡ってしまうことにもなるため、一般的には全く同じ業種の知り合いへの案内は避けるのが通常です。
違う業種の経営者仲間にとっては、「普段なかなか知れない『不動産業者が募集をかけていない段階の物件情報』を取得できる貴重な機会」と捉える方が多く、条件さえ合えば前向きな検討が望めます。
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メリット
- 打診する相手を自分が直接選べる
- 相手との関係性が良ければ誘致の交渉がスムーズに進みやすい
- 経営者仲間や店舗開発担当者の知り合いがいない場合は難しい
- 後継テナントが見つかった後の貸主とのやり取りは自分たちでしないといけないため、確実性に欠ける
デメリット
リーシング会社や同友店会、商店街の組合などに誘致してもらう
店舗の所在地が、ショッピングセンターや大型商業施設、商店街などの場合に検討できる手段です。
リーシング会社は、商業施設などと契約して店舗物件に条件に合ったテナントを入居させることで、施設の価値を高めるのが主な業務です。様々な企業の出店希望条件、またテナントの条件からどのような企業が入居するといいかをよく知る、テナント誘致のプロフェッショナルです。
またもし現在周辺店舗との同友店や、商店街の組合などに加入している場合は、そこに相談するのも選択肢の一つになるでしょう。
多くの場合、地域や施設内で顔役になっている方から内々に話を回してもらえますが、リーシング会社と比べると誘致力に欠けるかもしれません。。
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メリット
- 自分一人で探した場合と比べて多くの企業を相手に提案ができる
- リーシング会社や地域の顔役が間に入った場合、貸主さんに話を聞いてもらいやすい
- 間に入ってもらわないといけないので話が遅くなる可能性が高い
- リーシング会社や商工会とつながりがないと依頼することができない
デメリット
後継テナント誘致を取り扱っている不動産業者に依頼する
賃貸物件仲介を行う不動産業者の中には、現在入居中のテナントの後継誘致を取り扱う会社もあります。このような会社を利用することも選択肢の1つです。
地域で長年様々なテナントの移り変わりを見てきた不動産業者は、たくさんの企業のことを知っています。また不動産業者同士のネットワークを使い、現在入居されているテナントに入りたい企業を見つけてきてもらえるかもしれません。
ただし、一般的に後継テナントを見つけてきた不動産業者には「企画料」という手数料を払う契約になっています。これは賃料の2カ月分に設定されていることが多く、経営不振で撤退を余儀なくされた店舗には大きな痛手になるかもしれません。また立地などテナント自体の条件によって後継誘致を断られるケースもあるので、事前の確認が必要です。
「後継テナントを探している」と貸主に知られてしまうのはトラブルの元なので、ひっそりと探すのが一般的です。しかし、不動産業者が後継テナントを探す過程で競合他社や貸主に知られてしまう可能性は0ではありません。情報漏洩リスクを負ってでも多くの企業に提案して、少しでも早く契約を解消したいという場合には有効な手段といえるでしょう。
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メリット
- 自分で探した場合と比べて多くの企業を相手に提案ができる
- 非常に広い範囲に一斉に募集をかけてしまうため、秘密を保てない
デメリット
後継テナント誘致サイト『退去NAVI』に登録する
退去NAVIは、店舗出退店サポートを行う株式会社アクトプロが運営している『後継テナント誘致サイト』です。
退去NAVIでは、
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従来の方法で後継テナント誘致を行った際の大きなリスク
- 情報漏洩リスク
- 金銭的負担リスク
- 後継テナントが見つからなかった場合のリスク
を大きく軽減させる事ができます。
※退去NAVIでは解約通知前の物件のみを取り扱っています
情報漏洩リスクについて
退去NAVIでの後継誘致は、解約通知前の物件情報をサイトへ登録することから始まります。
物件を登録すると、事前に登録された700社以上の出店要項とのマッチングが行われ、物件概要が案内されます。この時点で開示される物件情報は、市区町村までの住所や坪数など、簡単な概要だけです。
店舗の名前や担当者連絡先など、退去予定の物件自体が特定できるような詳細な情報は退去希望テナントが個別に承認した場合のみに案内されます。
これによって自分の知らないところで退去予定情報が流通していた、という事態を防ぐことができます。
金銭的負担リスクについて
退去NAVI上での後継誘致(物件登録)は会員登録・物件登録含めすべて無料です。更に後継誘致が成功した際、賃料1カ月分を「情報提供料」として受け取ることができます。
退去物件登録者からアクトプロへのお支払いが発生するケースは必要経費等含め一切存在しないので、金銭的リスクなしで後継テナントの誘致を進めることができます。
後継テナントが見つからなかった場合のリスクについて
退去NAVI上での物件登録、交渉はすべて無料となっていますが、赤字状態の店舗などで貸主への解約予告を出さずに営業を続けてしまえば、解約予告が遅れるほどに赤字が嵩んでしまいます。
残念ながら後継テナントの誘致がかなわなかった場合でも、「使ってよかった」と思っていただけるよう、アクトプロでは解約通知後の原状回復工事費の削減も行っています。
複数店舗を退去NAVIに掲載した場合は、後継テナント誘致に成功した物件の数だけ情報提供料(賃料の1カ月分)を受け取ることができます。そこで得た情報提供料を後継テナントが見つからなかった他店舗の家賃に充てる事ができるため、リスクヘッジも可能です。
機会損失を少しでも抑えるため、退去NAVIでは現状店舗が赤字ではない場合でも、早めの撤退を見越した物件登録を推奨しています。
後継テナント誘致には様々な方法がありますが、それらのデメリットを可能な限り抑え、メリットを大きく伸ばす仕組みが「退去NAVI」です。
店舗からの退去をご検討の際はぜひ退去NAVIによる後継テナント誘致を視野に入れてくださればと思います!